オシムの言葉(木村元彦)

オシムの言葉 (集英社文庫 き 10-3)


説明不要の名著。スポーツ新聞が伝えるサッカー以上の物を知りたいなら絶対に読むべき一冊。そしてこの本で語られている言葉はビジネスから人生まで全てにおいて応用が可能。それは明確なビジョンを持ちその示すゴールに向かってチャレンジすること、そこで失敗しても学ぶことはあり再度トライできること。この本に描かれているエピソードからは生きていく勇気が得られる。

同時にチームのマネジメントについても深く感銘を受けることが書かれている。チーム内部への細かい気配りと外部への対応はビジネス上のマネージャーとしては学ぶべき物が多い。特に「政治」(それが国際政治であれ社内政治であれ)と対立しながら自分のプロジェクトを着実にこなしていく姿にマネージャーとしての理想を見る人は多いのではないだろうか。また、新人の特性を見出し大胆に実戦に投入して大きく育てていく手腕と、それに伴う責任を引き受ける度量も参考にしたい。

3大会連続でワールドカップを果たした日本代表だけれども、いつでもどこでも必ず勝てるというわけではない。イングランドでもオランダでも出れないときは出れないのだということを忘れてはならない。そして、その不遇の時代にも軸のぶれない強化が出来るかどうかが国力として問われるのであろうと思う。そのためにもオシムのビジョンに基づいて土台作りが出来ていれば、その共通認識をベースに更なる発展が望めたであろう。1サッカーファンとしてオシムが日本代表の2010年に向けたビジョンの行く末を観ることが出来なかったのは無念でならないけれど、この稀代の名将が日本サッカー界の若年層育成に向けて意欲を持っていることに救いを見出したい。

先の話だけど、やっぱり日本代表の監督にはピクシー(ドラガン・ストイコビッチ)が欲しい。グランパスで3年実績をあげるという前提(リーグ優勝はして欲しいな)で、2010年のワールドカップ後からの次世代を任せたい。オシムのビジョンを正しく受け継げるのは日本サッカーとJリーグを深く知り、オシムとアーセン・ベンゲルという育成に長けた名監督を一番よく知る彼ならばという思いがある。

…その頃にはアビスパ福岡もJ1に定着して代表選手を送り出せるようになってください。

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