いい街すし紀行


先月ツーリストトロフィー in 唐津に行った際はハンバーガーを食べたピザを食べたりしたのですが、唐津には全国にその名を轟かせる寿司の名店「つく田」があります。イベント特設会場の中町商店街で参加車両を見ていたら偶然発見したのですがいつかは訪ねてみたいお店です。

とりあえず食べた気分になりたかったので「いい街すし紀行」を読むことに。文藝春秋で「B級グルメ」を提唱し多くの食に関する本を記した里見真三の遺作です。東京・銀座の名店のみならず北は稚内から南は長崎まで氏の厳選した22軒の寿司屋とその寿司が飯窪敏彦の美麗な写真と共に紹介されています。

九州からは小倉、博多、唐津、長崎から1軒ずつ紹介されていますが、高い敷居を越えてでも食べてみたくなる魅力が本書の全てのページから感じられます。そこに描かれた「つく田」の寿司は伝統的な江戸前の風を忠実に守りながら唐津の近海で取れる海に幸を余すところなく生かした非常に端正なものという印象を受けました。寿司屋といえば勘定書きが心配になるものですが、それなりの店ならば予算に合わせて見繕ってくれるはずなので回転寿司に行くことを2,3回我慢すれば本当に美味しいものを食べに行くこともできそうです。

文章は正直文士気取りの加齢臭が鼻につくところもあるのですが、選び抜かれた素材が職人の手によって極上の味わいへと消化する過程を活写するその筆致には納得せざるを得ません。いかにも遊び慣れた「大人」が行くにふさわしい店でそれにふさわしく悠々と食している姿が目に浮かぶようです。

回転寿司で十分おいしいという人もいるでしょうが、たまにはこの本に載っている様な店で粋に寿司をつまんでみたいものですし、ささやかな人生の目標として時々は読み返すことにします。

いい街すし紀行

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