僕僕先生
唐代のNEETが美少女仙人(ツンデレ)と旅に出るロードノベル、というので読んでみました。
続きを読む »
第18回(2006)ファンタジーノベル大賞受賞作にふさわしい、縦横無尽に当時の中国全土から神仙界まで師弟で旅をする中でNEETはNEETなりに生きる意味に目覚める、という意味の成長小説でもあり確かな歴史背景の理解の上で当時の政治から風俗までを描いた歴史小説でもあり(見た目は)萌え系の美少女を師匠と仰いで絶妙な距離感を近づいたり遠ざかったりしながら揺れ動く自然な心情を描いたラブコメとしてキャラの立ったライトノベルであり、つまるところそのどれでもありどれでもないが故にファンタジー大賞受賞に値するという真にこの賞らしい作品でした。
一番好きなシーンは第8章で馬の吉良と心を通わせるところかな。ごく自然に自分の中にある想いを出すことで師匠すら瞠目させているのに自分では気がついていないところなんかとてもいいですよね。ラストでは師匠は仙界の蓬莱島へ帰り、主人公は師匠に教わった医術を生かして人望を集めてハッピーエンドと相成るのですが、ちゃんと次への予感を漂わせたシーンが用意されていて嬉しくなりました(2008年9月に続編が出ました)
よく練られた構成でどこをとっても隙がないといっていい完成度の高さですから誰でも安心して楽しめると思います。
« 記事を折畳む