日本ファシリテーション協会九州支部6月定例会
6/5(sat)に九大箱崎キャンパスで開催された「日本ファシリテーション協会」6月定例会に見学という形で参加してきました。もともと興味のあるトピックではあったのですが、たまたまTwitterで @kumaboo さんが「このような組織に関わっている」という発言をしていたのが目に留まったからです。調べてみると九州支部がありその週末に見学可能な定例会+ワークショップがあるという事で思い切って申し込んでみました。当然ですが、知り合いなど一人もいない完全アウェーです。
そもそもファシリテーションとはなにか、ですが日本ファシリテーション協会(FAJ=Facilitators Association of Japan)のサイトによると、
ファシリテーション(facilitation)とは、「促進する」「容易にする」「円滑にする」「スムーズに運ばせる」というのが原意です。人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶように舵取りするのがファシリテーションです。具体的には、集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。
という事のようです。
ビジネスの基本スキルとしても重要ですが、およそ人間が集まって組織となる全てのシチュエーションで有効になる知恵だと考えた方が良いでしょう。
まずは定例会としてFAJの全国大会報告や、今後の支部イベントについての説明を拝聴。かなりの数/規模の企業も参加してノウハウの共有を行っているようです。
そしてワークショップ開始。今回のテーマは「ボランティア・NPO・ファシリテーションー<わたし>のちからを<わたしたち>のちからへ」です。タイムテーブルと共にやるべき内容が明確に整理されていて進行がとてもスムースなのが印象に残りました。会場にはテーブルが8卓、各テーブルごとに5、6人はいたので参加者総数は50人位かな?
まずは、ボランティアについて。まずはテーブルのメンバーで10分間ポストイットにボランティアについての印象をワンフレーズで書き出していきます。集まったところで相互論評。各テーブルを周りながら集まった意見を確認してみましたが、色々な立場の人がいるので色々な視点があります。僕の場合は身近なボランティアとして知っているオープンソースのプログラマについての話を少々。
意見が出揃ったところでA4両面のペーパーが配られ、NPO法人「日本ボランティアコーディネーター協会」の加留部さんが語源から説明してくださいました。ラテン語の「voluntas(自発的にする、進んで事にあたる)」という言葉から更にその元まで進んで、volo(ウォロ)=「喜んで〜する」という言葉を教えて頂きました。この言葉は唯一「命令形」が無い動詞だそうです。そういったところからボランティアの本質は「自発的に行う、無償の行い」であるという定義がすんなりと納得出来ました。ちなみに関連する言葉でmalo(マロ)=仕方がないけどやる、nolo(ノロ)=嫌々やる、があるそうです。この配布されたペーパーがよく練り込まれた作りで、見出しはもれなく押さえた上で余白が大きいので、説明を聞きながらメモを取ると資料として完成するようになっています。
ボランティアの定義を明確にした上で、出来る事を増やしていく/実現する為には組織化される事が必然であるという結論に導かれて次のセッションへとつながっていきます。
次は、NPOについて。前のセッションと同じく最初はテーブルのメンバーでNPOについての印象をポストイットに書き出していきます。そして相互論評。僕の意見はビジネス側から捉えた傾向になるようでした。
NPOについての説明は「茨城NPOセンター・コモンズ」の徳田さんが担当します。この組織は地域で活動するNPOを支援するNPOです。まず最初にA4両面のペーパーが配られ「政府ー非政府」「営利ー非営利」「組織ー非組織」という三軸構造で「民間非営利組織」を定義します。その上で広義のNPOと狭義のNPOに分けていきますが、資料の図解が分かりやすいので頭にするする入ります。
またその過程で、利益を投資家に配分する事が前提の会社と違い、NPOならではの組織として必要な事として「発展性と持続性」が挙げられ、持続する為に利益を出して再投資する事の必要性が説明されます。また、発展の核として「ミッション=実現すべき事=社会的使命」を明確にすることで周囲の共感を呼び事業推進へのリソースを集める事の重要性を再確認しました。Not for Profit, but for MIssion! というフレーズに存在意義の全てが込められていると感じました。
官とは違ったやり方で、迅速性・専門性・当事者性をもって公益の為に活動する。公益を考える為には、何が公益かを官がコントロールするのではなく、市民一人一人が「これが社会に必要な事ではないか?」と自主的に行動し、それに賛同する人が増える事で更に新しい公益活動が増える、という形で「市民社会」を作る。その際に、自由な発想による多様な活動と共感に基づく参加の受け皿となるのがNPOである、という流れで再定義されたのですが、世間にあるNPOに対する誤解や偏見に力強く反論出来るものだと思います。
そしてNPOのあるべき姿を実現している事例紹介。「自殺対策支援センター・ライフリンク」と「アサザ基金」の2組織ですが、対話によって行政を動かしたり、地域産業も巻き込む形で大きな仕事をしたりと、今後のNPOを始める人達にも勇気を与える指針となるべき存在ですね。
最後のワークショップは、同じくNPO法人であるFAJのあるべき姿を具体的に考える為に「2015年、FAJが新聞1面トップに!」というテーマで模造紙に架空の新聞を作りました。ここまでのセッションで出たポストイットを「点」として、それを各セッションという流れでつないだ「線」にして最後は「面」に展開していく作業です。ここまでの討論と講義で頭の中のやるべき事が自然に方向づけられているので、ネガティブな意見は出ずに皆で真剣に楽しみながら協力して1枚をまとめる事が出来ました。
いつも参加しているIT系の勉強会とは違い、Twitter実況する暇もないほど頭を使い討論し手を動かすのは新鮮な体験でした。どちらが良いという訳ではなく、会議のゴールで成果を出す為に入念に準備をして、流れを作り出し、集団の力を一つの方向性にまとめ束ねるファシリテーションの力を今回のワークショップで体感した、というのが収穫です。しかもその中で別途取り組んでいるNPO法人の立ち上げについても良い勉強が出来たのですから、本当に参加して良かったと思える実り多い体験でした。
最後になりましたが、快く見学を受け入れてくださった関係者の皆様、本当にありがとうございました。
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